気温が高くなり、季節がどんどん夏本番へと向かうこの時期は、ワンちゃん・ネコちゃんと暮らす人にとっては、寄生虫やノミダニが気になる季節でもあります。毎年この時期パフィーズでは、パフィーズの薬品に対する考え方と、ナチュラルな虫除けについてお話ししています。

フィラリアの薬はほんとに予防薬なの?
広く知られているように、フィラリア症は蚊を媒介として感染します。蚊がフィラリアに感染した動物の血を吸うと、フィラリアの幼虫が血液と一緒に蚊に取り込まれます。この幼虫は蚊の体内で成長し、蚊がワンちゃんなど人間と暮らす動物の血を吸う際にその体内に侵入します。ワンちゃんの体内に侵入した幼虫は心臓に寄生し、やがてはその機能を停止させてしまうほどのダメージを与えます。

フィラリアに対処するための薬は「予防薬」と呼ばれることが多いですが、実際には体内に侵入した幼虫が悪さをする前に殺すための「駆除薬」です。注射以外にも、経口タイプや皮膚に滴下するタイプなどがあり、お客様も獣医さんと相談のうえ、それぞれのワンちゃん・ネコちゃんに合ったお薬を使っておられると思います。
 
副作用や身体へのダメージは「絶対に」ない?
フィラリア駆除薬は寄生虫にのみ作用するもので、ワンちゃん・ネコちゃんの身体への悪影響はないと言われています。しかし、下痢や嘔吐、鬱や呼吸困難といった副作用について報告している研究論文(R. B. Atwell, P. F. L. Boreham)や、過去に低リスクと考えられていた用量で深刻な症状が出る可能性に注意を喚起する研究論文などが出ています。(Valentin A Merola)また、フィラリア駆除薬だけではなく、ノミダニ駆除薬についても、アメリカでは増加する副作用の報告を受け、2008年以来規制が強化されています。(United States Environmental Protection Agency)

薬品との付き合い方
特にフィラリア症を発症してしまうと深刻な症状が出ることを踏まえると、駆除薬をまったく使わないという選択は現実的でなく、難しいかもしれません。問題は、薬品そのものというよりも、「駆除薬は絶対使わなくてはいけない」「駆除薬を使っておけば絶対安心だ」と断言してしまうことです。ノミダニについても同様に、地域やライフスタイルによって必要性や必要な頻度など大きく変わってくるでしょう。

先日掲載した記事でもMike、Mariが同様のことをお話ししていますが、自然・生き物に対して「絶対」はあり得ません。リスクが否定できないことを正しく理解したうえで、一緒に暮らしているワンちゃん・ネコちゃんに最善の方法を選ぶことが大切です。「虫の時期が来るから当然お薬をもらう」のではなく、「うちの子の今の状況で本当に使ってもいいのか?」「これだけの分量・頻度は本当に必要なのか?」と一歩立ち止まって考えること。 健康で病気を持っていない子はともかく、シニアの子や、病気をもっている子、別のお薬を服用中の子などは特に慎重になる必要があります。ワンちゃん・ネコちゃんがそのような状況にある場合は、ぜひ薬品を控える手立てを考えてあげてください。

MikeのCEOステートメント:
新型コロナウイルスについて科学の視点から思うこと:私たちの命は生物学
Mariの新型コロナウイルス記事:
新型コロナウイルスについて自然保護の視点から思うこと:地球の生きものとの共存が私たちを救う

パフィーが教えてくれた教訓
パフィーズの薬品に対する考え方の背景には、パフィーズの先代愛犬・パフィーが教えてくれた教訓があります。代表Mariのブログでこのエピソードはご覧いただけます。(下の画像クリックで記事が開きます。記事は2017年に作成されたものです。)

「虫」へのナチュラルな対策法
犬・猫へのナチュラルな健康サポートを目指すパフィーズが大切にしている書籍の一つに、Dr. Pitcairn’s Complete Guide to Natural Health for Dogs and Cats(『ピトケアン博士による犬・猫のナチュラルケア完全ガイド』)があります。この本の中でピトケアン博士は、フィラリア症に感染する犬が多く出ている地域でも野生のコヨーテには感染が見られないことを指摘しています。そして、自然な環境とたっぷりの運動、そして可能な限り自然のままに近く、新鮮で質の高い食べ物が、虫を寄せ付けない身体づくりには不可欠であることを強調しています。

ナチュラルなノミダニ除け
17種類のハーブとスーパーフード(ベーシックは9種類)をワンちゃんのために配合したアスタミアには、ワンちゃんを悩ませるノミダニが嫌がる成分がぎっしり詰まっています。中でもガーリックはノミダニ除けの効果が抜群。ガーリックについてはこちらの記事でも詳しく紹介しています:パフィーズブログ「にんにくのパワー」。 パフィーズの愛犬月ちゃんもこの時期はアスタミア+ガーリックペーストで虫の嫌がる身体づくりをしっかりしています。愛猫の三ちゃんにはガーリックはダメですが、アスタミアを毛に少しすりこんでノミダニ対策!虫が嫌がって這い出してきます。

ホームページで紹介しているガーリックペーストは、人間用のパスタソースやドレッシングとしても楽しめます。悩ましい虫の季節ですが、ご家族も一緒に、おいしく健康に乗り切りたいですね。


文中の参考テキスト・リンク
R. B. Atwell, P. F. L. Boreham, “Adverse drug reactions in the treatment of filarial parasites: clinical reactions to diethylcarbamazine therapy in dogs infected with Dirofilaria immitis in Australia.” Wiley Online Library (https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1111/j.1748-5827.1983.tb00357.x)
Valentin A Merola, Safdar Khan, and Sharon Gwaltney-Brant, “Ivermectin Toxicosis in Dogs: A Retrospective Study.” Journal of the American Animal Hospital Association (https://www.jaaha.org/doi/abs/10.5326/0450106)
United States Environmental Protection Agency, “EPA Evaluation of Pet Spot-on Products: Analysis and Plans for Reducing Harmful”. (https://19january2017snapshot.epa.gov/pets/epa-evaluation-pet-spot-products-analysis-and-plans-reducing-harmful-effects_.html)
United States Environmental Protection Agency, “Review of 2008 Incident Reports for Pet Spot-on Pesticides” (https://www.regulations.gov/document?D=EPA-HQ-OPP-2010-0229-0023)
Richard H. Pitcairn, Susan Hubble Pitcairn, Dr. Pitcairn’s Complete Guide to Natural Health for Dogs and Cats, 3rd ed., p. 356-359(本書は英語ですが、犬・猫の食事について書かれた部分は、中央アート出版社の「ペットとホリスティックに暮らす」というシリーズ本で日本語で読むことができます)